積み立て方法で成績がどのように変わるかシミュレーションしてみました。
毎月一定額(8万円を)2008年2月~2022年12月までS&P500(IVVの価格準用)に積立投資した場合を想定しています。なお、1単位未満の購入可能という前提(投資信託と同様)です。
8万円×179ヶ月=1,432万円の原資に対して、最終的な資産総額(株価は最終時価で計算)は、約3,036万円で、年平均利回り5.2%でした。
(ちなみに、「各月の資産残高÷直近過去1年間の最大資産」を算出してみました。直近1年間の株価下落で、どの程度投資額が減少したか、暴落時の急激さの程度を確認するためです。値が小さいほど、短期間で急激に暴落したことになります。約14年間の集計期間の最悪値、つまり、年間最大暴落率は77%でした。)
次に、毎月の積立額は半額の4万円。残りの4万円は毎月ストックし、当月株価が前月の-10%以下になったとき、それまでのストック金額を全てつぎ込むという方法でシミュレーションします。(投資資金は有限ですからね。追加購入したい!と思った時に追加購入するには、自分で計画的にストックしておく必要があります。)
上がその時のグラフ。-10%下落による追加購入タイミングは3回でした。割安の時に多く変えるため、最終的な利回りは大きく増えるかと思いきや、そうでもありません。
8万円×179ヶ月=1,432万円の原資に対して、最終的な株価(時価)総額(ストック金額含む)は、約2,668万円で、年平均利回り4.3%(全額積立の場合-0.9%)でした。一方、運用成績(時価÷原資)の最低値は76%と、全額積立の場合と比較して8%程改善していました。まあ、積立額を半分に抑え、-10%の暴落がくるまでキャッシュで持っているわけなので、当然と言えば当然ですが。
しかし、株価下落を待つ間、キャッシュポジションをキープする期間が長くなり、トータルで見たとき平均利回りが減り、資産総額が減ってしまう結果となったようです。
次に、購入回数を増やすため-5%のタイミングで追加購入することとします。
上がその時のグラフ。-5%下落による追加購入タイミングは24回と大幅に増え、年に1~2回の追加購入タイミングが発生します。
結果、同様に1,432万円の原資に対して、最終的な株価(時価)総額(ストック金額含む)は、約2,962万円で、年平均利回り5.0%(全額積立の場合-0.2%)でした。
限りなく全額積み立てと同じ結果、というか、あと少しで全額積立てに追いつけるという結果になりました。。
念のため、-1%下落時に追加購入してみます。
上がその時のグラフ。-1%下落による追加購入タイミングは52回と更に増え、年に3~4回の追加購入タイミングが発生します。
結果、同様に1,432万円の原資に対して、最終的な株価(時価)総額(ストック金額含む)は、約3,017万円で、年平均利回り5.1%(全額積立の場合-0.1%)でした。。
結論ですが、株価上下による購入タイミングについては、あれこれ考えず、自分が定期購入できる最大限の金額を毎月一定額購入し続ける。例えば、手元の100万円は、暴落時に備えて取っておこう!と、スケベ心をだすよりも、例えば毎月の積立額増額し、一定期間内で使い切るというのが、最も合理的であるということになりました。
ちなみに、毎月の積み立ては行わず全額ストックに回し、前の月に対して-5%の株価になったときだけ、それまでストックしていた全ての金額を投入というバージョンも検討してみました。
上がその時のグラフ。
結果、同様に1,432万円の原資に対して、最終的な株価(時価)総額(ストック金額含む)は、約2,887万円で、年平均利回り4.8%(全額積立の場合-0.4%)でした。
暴落時だけを狙い澄まして購入するという方法だと、逆に資金効率は悪くなってしまうんですね。
今の自分に積立可能な最大限の金額を、毎月同じ金額だけ購入し続けるのが最善。シンプルすぎて、拍子抜けしてしまいますが、何度やっても同じ結論になってしまいました。
株価を厳密に分析していけば、最高の購入タイミングが見つけられるはず!!との思いで色々やってみましたが、どうやら「シンプルイズベスト」が真理のようです。